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特集 こんなときどうする?―鼻科手術編
眼窩内脂肪か?!
Orbital fat bulging?!
池田 勝久
1
Katsuhisa Ikeda
1
1順天堂大学医学部耳鼻咽喉科学講座
pp.819-822
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101974
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Ⅰ.概説
内視鏡下副鼻腔炎手術(ESS)が慢性副鼻腔炎を初めとする種々の鼻副鼻腔疾患に対する標準的外科治療法となってきている1)。内視鏡を用いることで副損傷が明らかに減少してきているが2),ESSの標準化には治癒率の向上とともに副損傷の回避が必須である。
副損傷として高度障害と軽度障害に分類すると,前者は脳脊髄液漏,頭蓋内損傷,視力障害,外眼筋損傷,鼻涙管損傷,輸血を要する大出血,死亡があり3),後者としては眼窩内出血,眼窩周囲気腫,眼窩内侵入,鼻内癒着,小出血などが含まれる。ESSの副損傷の発生頻度を表1にまとめたが,高度副損傷は0~2.1%で,軽度副損傷は5.0~15.1%であり,そのうち眼窩損傷が占める割合はどちらも約半数程度と高い頻度を示している。
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