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特集 こんなときどうする?―鼻科手術編
鼻中隔穿孔になるか?!
Does it become a nasal septal perforation?!
朝子 幹也
1
Mikiya Asako
1
1関西医科大学耳鼻咽喉科
pp.815-818
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101973
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Ⅰ.概説
鼻中隔矯正術は耳鼻咽喉科医であれば,比較的早い時期から実際の手術を担当することが多く,「初心者向け」と考えられがちな鼻科手術といえる。しかし実際のところは狭い術野での繊細な操作が必要であり,きっちりと鼻閉を改善するためには一定の経験と知識を要する手術であると筆者は認識している。切開線が外鼻孔から近い位置にあるために内視鏡保持などの操作においては一定の困難さがあるために,おそらく現在でも一部裸眼操作で,あるいは全行程を裸眼手術として行っている施設もあるのではないかと思う。しかし筆者は,鼻中隔矯正術の全行程を内視鏡下に行うことは非常にメリットがあり,推奨される手技であると考えている。これは操作している層が正しい位置にあるかということを確実に確認する意味でも重要であり,ひいては鼻中隔穿孔を起こさない意味でも重要なファクターである。鼻中隔手術は近年ではさらにバリエーションと工夫がなされるようになり,前尾側端(caudal end)が原因の彎曲に対しても,cottle incisionでのアプローチ1)やopen septorhinoplasty2)で積極的に手術が行われるようになってきており,上級者にとっても積極的な勉強と経験が必要な領域でもある。
本稿では基本的に内視鏡下で鼻中隔矯正術を行っていることが前提に述べていきたいと思う。
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