特集 耳鼻咽喉科感染症の完全マスター
Ⅱ.病原体をマスターする
1.細菌・原虫感染症
9)結核菌
坂口 博史
1
,
久 育男
1
1京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
pp.113-117
発行日 2011年4月30日
Published Date 2011/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101828
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Ⅰ はじめに
わが国における結核の新規罹患率は,1960年に人口10万人当たり542.2人であったのが,その後減少し,2009年には19.0人と過去最低になった。しかし,ほかの先進国と比較すると罹患率は高率であり,日本は依然として中程度の結核蔓延国である1)。耳鼻咽喉科領域の結核も減少傾向にあるが,現在でも日常診療の場で時に遭遇する重要な感染症であることに変わりはない。本稿では,特に頻度の高い結核性中耳炎と喉頭結核について述べる。
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.