Japanese
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特集 耳鼻咽喉科における心因性疾患とその対応
2.心因性難聴
2.Psychogenic deafness
工藤 典代
1
Fumiyo Kudo
1
1千葉県立保健医療大学健康科学部栄養学科
pp.921-925
発行日 2010年12月20日
Published Date 2010/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101716
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Ⅰ.はじめに
心因性難聴は,小児において,多くは学校健診での聴力検査の結果,『聞こえが悪いようだから耳鼻咽喉科で診てもらうように,といわれた』と耳鼻咽喉科を受診することから始まる。聴力検査を行うと確かに難聴を示しているが,客観的な難聴の症状がみられることはほとんどない。1,2週間程度の間隔を開けて再検査を行うと,聴力閾値が変動している。他覚的聴覚検査を行えば聴力検査結果と矛盾し正常閾値を示し,機能性難聴あるいは心因性難聴の診断を行うことになる。
成人においては『朝から突然聞こえなくなった』と,急いで耳鼻咽喉科を受診し,筆談,あるいは誰かの通訳で問診を行うことがある。
このような難聴児者が受診した場合に,心因性難聴の診断の経過とその後どのように対応すればよいかについて述べる。
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