特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の検査マニュアル―方法・結果とその解釈
Ⅶ.声の検査
3.喉頭筋電図検査
平塚 康之
1
,
田中 信三
1
1大阪赤十字病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
pp.249-256
発行日 2010年4月30日
Published Date 2010/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101619
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Ⅰ はじめに
喉頭筋電図検査は,喉頭運動の診断,予後判定,治療について包括的情報をもたらす生理学的検査の1つである。筋電図検査では,画像診断などその他の検査では得ることのできない神経・筋の病態を直接知ることができる。喉頭筋電図の目的は,内喉頭筋の活動電位を,安静時および運動時において観察,記録することで,内喉頭筋およびその支配神経の病態を診断することである。適応には,声帯運動障害の鑑別,麻痺の鑑別とその予後判定,神経筋疾患の確定診断,痙攣性発声障害に対するボツリヌストキシン注入術の際のモニタリングなどが挙げられる。検査自体は簡便で,被検者に対する侵襲も少ないが,現在,耳鼻咽喉科の日常臨床では行われることは少なくなっている。喉頭筋電図検査を行って有用な情報を得るには,正確な内喉頭筋の解剖学的知識や音声生理学的な知識,針電極刺入の技術が必要である。以下にその概要を述べる。
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