増刊号 臨床力UP! 耳鼻咽喉科検査マニュアル
Ⅷ 声の検査
6 喉頭筋電図検査
深堀 光緒子
1
,
千年 俊一
1
,
梅野 博仁
1
1久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
pp.380-385
発行日 2017年4月30日
Published Date 2017/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201293
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●目的
喉頭筋電図の目的は,安静時や活動時に発生する内喉頭筋の活動電位を経時的に記録することにより,筋およびその支配神経の動態(活動性)を明らかにすることにある。これまでに呼吸および発声などの喉頭機能における生理学的研究のために欠かせない検査として用いられてきたが,実際の臨床においては以下の場合に適応となることが多い。
・声帯麻痺の鑑別(神経原性か筋原性か)と予後判定
・声帯運動障害の鑑別(麻痺性か関節固着または脱臼か)
・機能性発声障害の病態把握(心因性発声障害,痙攣性発声障害など)
・声帯内注入術の際のモニタリング(痙攣性発声障害に対するボツリヌストキシン注入など)
●対象
・発声障害
・声帯運動障害
・神経筋疾患(ミオパチー,神経筋接合部異常,運動ニューロン障害など)
抗凝固薬などを服用している場合は出血のリスクがあるため,休薬のうえ,検査を行う。
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