特集 オフィスサージャリー・ショートステイサージャリー
18.舌良性腫瘍の手術
片岡 真吾
1
1島根大学医学部耳鼻咽喉科
pp.145-150
発行日 2008年4月30日
Published Date 2008/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101257
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Ⅰ はじめに
舌に病変を認めた場合,炎症性のものか,腫瘍性のものかを判断し,腫瘍性であれば,悪性腫瘍が疑われ治療を急ぐものか,良性腫瘍として治療を行うものかを判断する必要がある。良性腫瘍が疑われれば,病変の部位,深さ,大きさなどから局所麻酔下にオフィスサージャリーとして外来手術を予定するか,入院のうえ,ショートステイサージャリーとして治療を計画するかを決定しなければならない。外来で局所麻酔下に手術を行い帰宅させるオフィスサージャリーの要件としては,術創が小さく,短時間の手術で出血が少なく,術後のケアが不要であり,術後に浮腫や腫脹などにより呼吸障害をきたす可能性が非常に低いことなどが挙げられる1)。また帰宅先が,出血など術後合併症が生じた場合など,すぐに受診できるような場所にあることなども必要であるが,遠方であるならば,帰宅先の近くの病院と連携を取っておくことが必要であろう。血管腫などのように術中や術後に出血が予想される疾患や術創が比較的大きく,術後に浮腫などにより舌の腫脹をきたしたり,疼痛のため,摂食障害や構音障害,呼吸障害などをきたす可能性がある場合は,入院のうえ,ショートステイサージャリーとして対処すべきである。小児や恐怖心が強く十分な安静が得られないなどの理由で全身麻酔下に手術を行う場合,通常の施設では入院の上手術を施行し術後管理をする必要があると考える。
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