特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科における手術の危険度
口腔咽頭
26.舌腫瘍摘出術(良性・悪性)
川内 秀之
1
,
岩元 純一
1
1島根医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.123-127
発行日 2002年4月30日
Published Date 2002/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902544
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はじめに
舌の手術を行うに当たっては舌の構造や働きを十分理解して臨む必要があり,生じ得る術中・術後の合併症や機能障害を考慮しなければならない。舌に発生する良性腫瘍としては血管腫,乳頭腫,線維腫,神経鞘腫,脂肪腫などがある。当科では,これら良性腫瘍については主にKTPレーザーによる腫瘍切除を行っている。舌癌については,動注化学療法を併用した術前放射線療法を行ってから手術を施行する方法を基本としている。舌癌T1NOもしくはT2NOで深部浸潤傾向のないものは舌部分切除術(主にKTP-YAGレーザー使用)を行っている。T2NOで深部浸潤のあるもの,T3NO, T4NOについては舌半側切除術以上の切除を行い,同時に患側の保存的頸部郭清術を施行している。N (+)症例では患側の根治的頸部郭清術と,必要に応じて健側の顎下部まで郭清術を行っている。再建材料については,欠損部の大きさ,年齢,基礎疾患の有無を考慮し皮弁を選択しているが,主に遊離前腕皮弁,遊離腹直筋皮弁,大胸筋皮弁などを用いている。
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