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あとがき
八木 聰明
pp.348
発行日 2008年4月20日
Published Date 2008/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101238
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本年も4月を迎えます。本来,新しい入局者を迎え,華やいだ季節になるはずですが,新医師臨床研修制度の導入以来,蓋を開けるのが怖い季節に変貌しました。むろん,それまでの間に入局数のある程度の予測はできるのですが,4月にならないと最終決定にならないからです。編集子の教室でも,新システムが始まってから何人を予定してよいのか(ゼロの年もありました)わからないで困っています。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科の質を維持して発展させるためには,現状ではマンパワーが足りません。日本全国で,昨年と一昨年に日耳鼻に新耳鼻咽喉科医として登録された数は200名を切っています。この数は,新システムが開始される前の人数の6割に満たない数です。それまでは,その年に医師になった人数の約4 %が耳鼻咽喉科医になっていましたが,現在は2.5 %へ減少しています。このことは,耳鼻咽喉科医の希少性という点ではメリットかも知れませんが,一方で,マンパワーという面からはおおいに問題になります。耳鼻咽喉科医数は,2003年までは毎年少しずつ増加して10,779人になっています。しかし,新医師臨床研修制度開始から減少し,2005年には10,451名となり,その後は横ばいになっています。耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の医療水準を担保していくためには,今後の耳鼻咽喉科医志向者の増加が望まれます。
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