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あとがき
八木 聰明
pp.584
発行日 2009年7月20日
Published Date 2009/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101471
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来週(6月1週目)『第19回世界耳鼻咽喉科学会』がブラジルのサンパウロで開催されます。小生は,学会でのパネルの発表と,学会中に行われる『IFOS(国際耳鼻咽喉科学連合)』の理事会と総会に出席するため,今週末(5月29日)にサンパウロに出発することにしています。今回の学会では,日本からもある程度の人が参加する予定だったようですが,新型(ブタ)インフルエンザの影響で,大学などから海外出張を規制されたりしているようで,予定をキャンセルした方も多いと聞いています。
新型インフルエンザに対する日本政府の対応は,行き過ぎの感を拭えません。国民には冷静に対応するようにと発言している何処かの厚生労働大臣のほうがよほど冷静さを欠いているようにしかみえません。どの国のテレビニュースをみても,日本ほどマスクをしている国はないでしょう。世界の多くの国は陸続きですので,日本が取ったような行動は考えもつかないと思います。この対応をみていて,日本はやはり島国で,いまだに,いざとなれば鎖国をすればよいという観念を捨てきれないでいるのではないかと思ってしまいます。諸外国との行き来の多くが,航空機によって行われているにもかかわらず,『水際作戦』というような言葉が堂々とまかり通っているのもその裏付けかも知れません。
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