--------------------
あとがき
八木 聰明
pp.100
発行日 2008年1月20日
Published Date 2008/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101201
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
平成20年(西暦2008年)が始まりました。本年も『耳喉頭頸』誌をよろしくお願いいたします。
さて,昨年の11月末にタイ王国のパタヤで開催された第11回アジア・オセアニア耳鼻咽喉科学会(11th Asia-Oceania ORL Head & Neck Congress)に出席してきました。会場はリゾートホテルに所属しているコンベンションホールで,日耳鼻総会を開催できるほどの広さと設備が整っていました。パタヤは大変良い季節のようで,最高気温は28度程度ですが海風が強く吹いているおかげで,日陰の体感温度はそれよりかなり低く過ごしやすい状況でした。学会の出席者は約600人で,海外から約半数とのことでした。会場の広さに比べて人数が少ない印象でした。このような学会に比較的よくみられますが,ポスターの貼られていないスペースが目立ったり,突然の演題キャンセルが頻繁にみられました。しかし,全体としては比較的良い学会だったと思います。日本から海外の学会に演題を出すのは,アメリカとヨーロッパが圧倒的に多いのが現状です。日本からの出席者が比較的少ないアジアの学会では,その学会の中枢部への係わりも含めて,日本の耳鼻咽喉科学会が無視される傾向が出てきているのではないかと危惧される部分があります。やはり,アジアの一員として,しっかりとした地位を気づいていくべきであろうと思います。これは,政治の世界とも共通するところかも知れませんが,アジアの孤児にならないような努力も必要でしょう。
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.