鏡下咡語
開業医からみた最近の医療問題
金子 豊
1
1金子耳鼻咽喉科
pp.73-75
発行日 2008年1月20日
Published Date 2008/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101198
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Ⅰ.はじめに
私は1999年に『耳鼻咽喉科診療と少子化』と題して報告を行ったとき,『総医師数は毎年5,000人以上は増加しており,2005年以降は人口が減少し少子高齢化が進行するので,国民1人当たりの医療費が現在と等しければ2050年には医師1人当たりの収入は1/2になる』という厚生省の予測を引用した。確かに2005年にピーク(1億2,776万7千994人)に達した総人口は,現在減少しはじめている。一方,高齢者人口は増え続け2020年には3,500万人を超え,2050年には総人口の約4割を占めるようになると予測されている。特に団塊の世帯が後期高齢者(75歳以上)になる2025年ごろから介護,医療が深刻な社会的問題となる(厚生労働省・国民生活基礎調査2004)。20年後のために医療界で整備されねばならないことは多い。医師の収入まで予測どおりにならないことを祈っている。
以下,医療に関する最近の話題について私見を述べる。
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