特集 上気道アレルギーを診る
12.臨床医に必要なアレルギーの基礎的知識
1)気道のⅠ型アレルギー反応の特徴
(1)浸潤細胞とサイトカイン
藤枝 重治
1
1福井大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
pp.167-176
発行日 2004年4月30日
Published Date 2004/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100592
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I.はじめに
Ⅰ型免疫反応は,肥満細胞上にあるIgEに抗原が結合することにより放出されたヒスタミンが引き起こし,その代表がアレルギー性鼻炎とされている。アレルギー性鼻炎の発症機序はT細胞,B細胞はもちろん,肥満細胞,好酸球,好塩基球など多くの細胞とサイトカインが複雑にネットワークを形成していることによる。
本稿ではその中で,T細胞とB細胞に焦点を絞って述べる。
T細胞とB細胞によって行われる主たることは,IgE抗体産生であるが,1)抗体を産生するB細胞の分化・増殖,2)細胞の活性化・記憶,3)Th2細胞への分化,Th1・Th2バランスの3点が重要である。これまでに常識とされていることはもちろん説明するが,できる限り最新の内容を記載する。
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