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特集 耳鼻咽喉科領域の疼痛
3.口腔咽頭の痛み
Pain of oropharynx
氷見 徹夫
1
Tetsuo Himi
1
1札幌医科大学医学部耳鼻咽喉科
pp.113-118
発行日 2006年2月20日
Published Date 2006/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100018
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Ⅰ.はじめに
口腔・咽頭痛を診断するためには,まず視診・触診で異常があるかないかによって鑑別診断が始まる。疾患頻度としては,炎症によるものがほとんどを占めるが,その炎症の原因を正確に鑑別することは意外に難しい。例えば,「咽頭炎」という診断をつけることは容易だが,原因が多彩であると同時に口腔咽頭は各種の常在細菌や外来抗原にさらされ二次的に炎症が修飾されるため,視診による診断が困難になる。さらに,組織学的な病理診断でさえ主な原因を特定することが難しい。
本稿では,痛みの起源となる神経機構につき記述し,さらに診断の進め方,落とし穴などについてできるだけ実践的な外来診療に役立つ点を中心に述べることにする。
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