Japanese
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連載 眼科図譜・310
ランドルト環型角膜上皮炎の1例
A case of Landolt-ring shaped epithelial keratitis
大橋 裕一
1
,
前田 直之
1
,
山本 修士
1
,
井上 幸次
1
,
荒木 かおる
1
,
木下 茂
1
Yuichi Ohashi
1
,
Naoyuki Maeda
1
,
Shujh Yamamoto
1
,
Kohji Inoue
1
,
Kaoru Araki
1
,
Shigeru Kinoshita
1
1大阪大学医学部眼科学教室
pp.594-595
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410908461
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- Abstract 文献概要
緒言:角膜上皮を場とする炎症性疾患としては,Thygeson点状表層角膜炎1)をはじめ,流行性角膜炎後に起こる点状表層角膜炎2)などが,代表的なものとしてよく知られている。しかし,これらの範疇に当てはまらない角膜上皮炎の症例に遭遇することは,日常臨床において決して稀なことではない。今回,その形態が,わが国で視力測定に広く用いられているランドルト環に類似した,特異な角膜上皮炎を1例経験したので報告する。
症例:73歳,女性。主訴:両眼の異物感。初診:1990年2月22日。病歴:数か月前,両眼に異物感が生じたために近医を受診した。原因不明のびまん性表層角膜炎との診断で,ステロイド剤,ビタミン剤などの点眼治療を受けたが,病状が改善しないため,当科へ紹介された。既往歴:6か月前に肺癌にて腫瘍摘出術を受けた。現在,抗癌剤(エンドキサン®)の内服を続行している。家族歴:特記すべきものなし。
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