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特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(2)1991年10月 広島
学術展示
網膜静脈分枝閉塞症にみられるEOG L/D比の低下
Decrease of the EOG L/D ratio in the BRVO
原 彰
1
,
長友 万里子
1
Akira Hara
1
,
Mariko Nagatomo
1
1日本医科大学第一病院眼科
pp.512-513
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410908439
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- Abstract 文献概要
緒言 網膜中心静脈閉塞症(CRVO)の網膜の虚血状態を,ERGのb/a比や律動様小波(OP)の振幅総和を指標として判断することができる。一方,CRVOに比べると網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)では病巣が限局されているため,mass responseであるERGの値に,綱膜の虚血状態が影響することはないと考えられる。前回筆者らは、BRVOとCRVOの症例にERGとEOGの検査を行い,EOGのL/D比が両者で低下していることを知り1),BRVOの病巣の変化はEOGのL/D比に反映するのではないかと考えた。今回筆者らは,この結果を確かめるためにBRVOの症例を選別追加し,BRVOのL/D比が真に低下するものかどうかを検討した。
対象および方法 1990年1月より1991年4月まで当科を受診しBRVOと診断し,今回の基準に合致した27症例54眼を対象とした。対象の基準は,初診時検眼鏡検査で,片眼のみBRVOで,他眼が正常であったものを選んだ。BRVO眼では虹彩癒着で散瞳の不十分だったもの,白内障が高度なもの,硝子体出血があるもの,緑内障,糖尿病性網膜症,網膜裂孔,光凝固を行ったものなどは除外した。また検査1に線溶酵素剤,抗凝固剤を使用した症例も除外し,単にBRVOを有する眼に対してEOG検査を行うようにした。
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