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連載 今月の話題
角膜ヘルペスの臨床—ウイルス学的見地と生物学的見地
Current controversies in the management of corneal herpes:Virological and biological point of view
大橋 裕一
1
,
木下 茂
1
1大阪大学
pp.865-869
発行日 1990年6月15日
Published Date 1990/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410908184
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現時点で臨床的に問題と考えられる角膜ヘルペス治療の諸問題をとりあげ,その考え方と治療方針をウイルス学的,および生物学的見地から考察した。
特に,最大の課題である実質型角膜ヘルペスの治療においては,ヘルペスウイルスおよびその関連抗原を角膜から除去することが,ウイルス学的見地からの根本的治療方針である。もし,こうしたウイルス抗原の除去がうまく行えれば,免疫反応の軽減をもたらすとともに,ウイルス感染の持続や再発を抑制できる可能性もある。他方,生物学的見地からは,好中球の角膜内浸潤を阻止することが第一の治療方針である。もし,好中球の浸潤を阻止できれば,多くの例で血管新生の阻止につながり,ひいては角膜移植にいたるような角膜瘢痕の形成を防止することができる。
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