医学と看護6月のテーマ
心臓蘇生—看護上の見地から
倉田 充子
1
1大阪医科大学付属病院手術室
pp.49-52
発行日 1966年6月1日
Published Date 1966/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912766
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はじめに
急性心拍停止とは心臓の拍動が静止した状態または心室が細動状態に陥った場合をいう。たとえ多少,拍動が残っていても機能的には停止した場合と同じ状態のときはやはり心拍停止といってよい。
私たちの臨床活動においては,手術台の上で,運搬車の上で,あるいは,一般病室のベットの上で,たびたび心拍停止に陥った患者に接する機会が多い。心拍停止は手術中はもちろん,手術に関係なくしても,いつ,どこにおいても発生しうる可能性があるが,適切な処置,すなわち巧妙な蘇生法によって死亡すべき患者を救いうる可能性もまた大きい。私たち看護する者にとって,こうした救急の立場に出逢った時,日頃の救急看護の基礎と応用との両面からつちかわれた熟練した技術や知識は,その場で直ちに医師のよき介助者となり,患者の救命に直接役立たせることができるのである。
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