文庫の窓から
明治初年における主な翻訳解剖書にみる眼の解剖図
中泉 行史
1
,
中泉 行弘
1
,
斎藤 仁男
1
1研医会
pp.1502-1503
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907953
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明治の初年,解剖書の翻訳が行われ,幾種類も出版された。そして,これまでのオランダやドイツ系医書に加えて英米の解剖書の翻訳が漸次多くみられるようになった。その主なものに,「解剖訓蒙」(図1,2),「虞列伊(Gray)氏解剖訓蒙図」(図3,4),「布列私解剖図譜」「斯密士氏解剖新図」「解剖摘要」「海都滿氏解剖図」などがあるが,これらに所載の眼の解剖図,「虞列伊(Gray)氏解剖訓蒙図」について紹介する。
「解剖訓蒙」は文久元年(1861),米国医師約瑟列第(ジョセフ・レデー)の著した「エレメンタリー トリーチス ヲブ ヒューメン アナトミー」(Elementary Treatise of Human Anatomy)を,松村短明,安藤正胤,副嶋之純,村治重厚,横井信之,中泉正等の社友が相謀って分担翻訳し,明治5年(1872)啓蒙義舎蔵版にて発行された.掲出本は明治9年(1876)出版のものである。
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