明治期の家政書にみる看護法・1 同時期の看護書との比較から
翻訳的家政書にみる看護法
中村 美知子
1
,
吉川 龍子
2
1日本赤十字看護大学
2元:日本赤十字看護大学
pp.801-807
発行日 1990年11月25日
Published Date 1990/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900138
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日本における看護書はすでに江戸期にもかなり出版され,たとえば『病家須知』(平野重誠著,天保3年-1832)1)には家庭生活の中で実践できる看護法が平易に述べられている.また家政書の先蹤とみられる『家内川心集』(頓宮咲月著,享保15年-1730)2)には「病用心之事,看病人用心之事,老人用心之事」の項目があり,家庭生活の心得の中で看護の必要性を説いている.家庭看護が中心であった当時から,看護書と家政書は密接な関係をもっていた.
明治期に入ると,学制発布,欧米文化の流入に伴い,初等・中等教育において家政に関する教育が開始され,教育用の家政書が次々と出版された.
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