Siesta
ドライヴ
濱野 慶朋
pp.38
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410904018
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透析療法は諸事情を背景に飛躍的に発達し,今では,透析とは腎不全の人が人生を楽しむ間に時折利用するもの,といった見方さえできるようになった。自動車はガソリンを入れて動く乗り物だが,次のガソリンスタンドを目指して走っているわけではない。乗客の仕事や楽しみを乗せて,得意先や海山へと進んでいるのである。彼らの人生は豊かで,今後ますます豊かになっていく。そう確信し,また願って私ども透析医は日々励んでいる。どうか他科の先生方も,もう一歩踏み込んで下さると嬉しい。
また,眼科の先生方には,こんな事をご教授賜りたいと私どもは願っている。この患者はいつまで出血の可能性があるか,眼圧は上がっているか,一番なさりたい治療・お使いになりたい薬は何か,すぐに血糖を下げてよいか,今の治療内容は何か,今度いつ受診してもらえばいいのか。これらをちょっと私どもの耳にも入れていただければ,透析患者は安心してドライヴを続けることができる。
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