これからの医療と医療制度・6
ゴールド・プラン
寺崎 仁
1
1日本大学医学部医療管理学
pp.1300-1301
発行日 1994年6月10日
Published Date 1994/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902813
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ゴールド・プランとは,「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の通称で,21世紀を迎えるに当たり,未曾有の超高齢化社会に対応するため,平成元年12月に厚生,自治,大蔵の3大臣の合意事項として策定された政府の長期計画である.このゴールド・プランが策定された背景は,言わずと知れたわが国の世界に類を見ない超高齢化社会の到来であるが,消費税の導入も視野に入れ,今後の社会的ニーズに対応しようとするものである.
平成元年4月に導入された消費税は,そもそも税制の直間比率の見直しなど,国民の税負担の公平化の観点から採用された新しい間接税で,必ずしもゴールド・プランなどの福祉施策と直接に結び付くものではない.しかし,食料品の税率軽減など消費税見直しの気運とともに,「使途の明確化」や「高齢化に対応した公共福祉サービスの充実」が,国民各層からの強い意見として打ち出され,それに配慮しなければならない事情もあった.
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