特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
血液生化学検査
脂質・リポ蛋白
TG(トリグリセリド)
板倉 弘重
1
1品川イーストワンメディカルクリニック
pp.245-247
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104757
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
トリグリセリド(triglyceride:TG)はグリセロールに3分子の脂肪酸が結合したもので,脂肪酸の貯蔵と運搬体として機能している.食事から摂取された脂肪は,膵リパーゼで脂肪酸とモノグリセリドに分解され,小腸で吸収される.脂肪酸は小腸でTGに再合成され,アポB48と結合し,カイロミクロン(chylomicoron:CM)として分泌される.食後の高TG血症はCMの増加による.
CMはアポCⅡの存在下でリポ蛋白リパーゼ(lipoprotein lipase:LPL)の作用を受けてCMレムナントに変化する.CMレムナントは主に肝臓に取り込まれる.アポCⅡあるいはLPL欠損症では,CMが血中に停滞し高TG血症となる.
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