Japanese
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特別講演
老人性円板状黄斑変性症の臨床
Senile disciform macular degeneration
松井 瑞夫
1
Mizuo Matui
1
1日本大学医学部眼科学教室
pp.163-170
発行日 1994年2月15日
Published Date 1994/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410903620
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はじめに
老人性黄斑変性症senile macular degenerationは,最近では加齢黄斑変性症age-related macular degen—eration (ARMD)と呼ばれ,人口の高齢化とともに増加していることはよく知られている。このage—related macular degenerationという呼び方は,1983年にFerris1)が提唱したものである。ARMDは脈絡膜新生血管choroidal neovascularization (CNV)を伴ったものと,伴わないものに二大別され,前者が老人性円板状黄斑変性症senile disciform macular degeneration (SDMD)である。
ARMDの分類,あるいは病名については,統一した見解は見られないが,欧米ではARMDをexudative ARMDとnon-exudative ARMDに分類することが多くなってきた。演者2)はARMDを脈絡膜新生血管が関与している円板状型,SDMDへの移行の確率が高い前円板状型,CNVが関与していない萎縮型に分類できることを提案した。これも,Ferrisが1983年ARMDを萎縮型,中間型,新生血管型に分類することを提唱していることとほぼ同様である2)。ここでは,CNVを伴ったARMDであるSDMDを中心に,ARMDの診療の実際について述べてみたい。
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