Japanese
English
連載 今月の話題
ライム病
Lyme disease
新藤 裕実子
1
,
大野 重昭
1
Yumiko Shindo
1
,
Shigeaki Ohno
1
1横浜市立大学医学部眼科学教室
pp.123-129
発行日 1994年2月15日
Published Date 1994/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410903613
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
ライム病は,スピロヘータによる新しい感染症であり,媒介種であるマダニの刺咬後,特徴的な慢性遊走性紅斑の出現を持って発症し,心臓・神経・眼などを侵す全身性疾患である。診断は疫学的背景,臨床経過,血清学的方法によって総合的に判断され,治療は抗生物質が有効である。ライム病は多彩な眼症状を示すことからわれわれ眼科医にとっても重要な疾患である。特に原因不明の炎症性眼疾患にはライム病が潜んでいる可能性がある。原因不明の炎症性眼疾患の治療はステロイドが中心となるが,ライム病では,こうしたステロイドのみの投与は適切な抗生物質の投与を遅らせるばかりか,治療に抵抗性を示す原因にもなりうるため注意が必要である。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.