眼科の控室
必読書
Bonin
pp.1950
発行日 1993年12月15日
Published Date 1993/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901983
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医局というのは便利な制度です。ごく普通にしているだけで,なんとなしに知恵がついてくるからです。診断は兄弟子など上の先生が教えてくれるし,手術も人のを見ているだけで,だいたいはわかるものです。初手術となると,それこそ手とり足とりして指導してもらえます。これを昔の人は,「門前の小僧 習わぬ経を読む」といいました。
けれどもこれだけでは寂しいのです。この方法は便利な代わりに,自分の先生よりは絶対に偉くなれないからです。先生を小粒にしたのが弟子で,そのまた小粒が孫弟子というのは,まさに縮小再生産であり,この変化の速い医学の世界で先に進むのはまず無理というものです。
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