文庫の窓から
外科必読質篤満眼門(1)
中泉 行信
1
,
中泉 行史
1
,
斎藤 仁男
1
1研医会
pp.424-425
発行日 1986年4月15日
Published Date 1986/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209697
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安永3年(1774)に「解体新書」が前野良沢,杉田玄白,中川淳庵等によってわが国における西洋医学書の本格的翻訳書として刊行されて以来,新知識を求めて西洋医学の輸入に努める意気込みは年々盛んになった.中でも近代外科書の翻訳には数々の大著がみられるが,幕末における蘭書の翻訳外科書として知られている主なものには「瘍医新書」(寛政2年〜文化13年),「瘍科新選」(天保3年),「窮理外科則」(文化〜弘化年間)等枚挙に暇がない程であるが,その中の一つに箕作院甫訳の「外科必読」がある.
この書は近代外科の翻訳書として未定訳稿ながら完本であり,日本外科史上特筆すべき一大作といわれている.(呉秀三著「箕作院甫」)
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