私と読書
時代は変わる 周産期医療関係者必読の書—『バースライツ』を読んで
竹村 秀雄
1
1小阪産病院
pp.70-71
発行日 1993年1月25日
Published Date 1993/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900731
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バースライツ(birth right)とは,「生得権」,つまり相続権のように生まれながらにして持っている権利を指す言葉であるが,ここでは「出産権」,つまり良い出産をする権利として使われている。英国の地域助産婦として日々妊産婦に接してきた著者サリー・インチは「これは妊婦に読んでいただきたい本です」と書き出しているが,多くの面で共感しつつ読み終えた筆者としては,むしろ現在の日本の助産婦の皆さんや周産期にかかわる医師にもぜひ読んでほしい本であると感じている。
聖路加国際病院長の日野原重明先生は,これからの国民の健康と医療を変えていくには,医療関係者だけがいくら努力してもだめで,医療を受ける側の一般の人たちが身体のことや病気について知り,また医学的な処置や薬の得失を知っていくこと,そしてお互いに情報を提供し合い,その情報を生かしていくことが大切だと説かれている。
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