文庫の窓から
摩嶋一流眼疾医書
中泉 行信
,
中泉 行史
,
斎藤 仁男
1
1研医会
pp.1542-1543
発行日 1993年8月15日
Published Date 1993/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901814
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麻嶋流は,いわゆる馬嶋流から分かれた流派で,系統的には五流(記香坊,高田,円形坊,祖忠坊,清源)五家(惣持,大智,玉泉,相寺,対馬坊)のうち,清源流大智坊に属するといわれている。今日伝えられている麻嶋流眼科の秘伝書といわれているものには「麻嶋流眼目秘伝書」(永禄元年,1558)を始めとした幾つかの相伝書が知られている。掲出の「摩嶋一流眼疾医書」は“文禄五年丙申 仲夏上”という年号がみられるもので,これが即当時の書写本とは思われないが,少なくともこの年代の摩嶋流眼科の一端を伝えるものとして大事な資料と思われるので紹介する。
本書は上巻(59葉),下巻(55葉)の2冊からなり,漢字と片仮名交りの和文で書かれた眼科書である。
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