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特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(6)1991年10月 広島
学術展示
前部虚血性視神経症を伴うLeber's idiopathic stellate neuroretinitisに高圧酸素療法が奏効した1例
Hyperbaric oxygenation was effective in a case of Leber's idiopathic stellate neuroretinitis with anterior ischemic optic neuropathy
山口 玲
1
,
岡本 直之
1
,
柏井 聡
1
,
本田 孔士
2
Rey Yamaguchi
1
,
Naoyuki Okamoto
1
,
Satoshi Kashii
1
,
Yoshihito Honda
2
1京都大学医学部眼科字教室
2北野病院眼科
pp.1164-1165
発行日 1992年8月15日
Published Date 1992/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901269
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- Abstract 文献概要
緒言 Leber's idiopathic stellate neuroretinitisは,黄斑部に星芒状白斑を伴う視神経炎を特徴とし,著しい視力低下をきたす疾患である。多くは自然寛解し予後良好であるが,なかには前部虚血性視神経症(AIO-N)を合併し視力予後が悪いものも報告されている1)。今回筆者らは,約3週間のステロイド投与に抵抗を示しAIONの所見を認めた症例に高圧酸素療法を施行したところ,著明な視力改善が得られた1例を経験したので報告する。
症例 18歳女性。家族歴に特記すべきことなし。既往として5歳よりPasini-Pierini型皮膚萎縮症(限局性強皮症)があった。主訴:右眼視力低下と中心暗点。現病歴:1990年12月6日より夜間38℃の発熱があった。12月10日右眼視力低下と中心暗点を自覚。15日,近医にて視神経炎を疑われ高単位ステロイド療法を開始するものの症状改善せず,28日当科紹介受診。1991年1月4日入院。初診時所見vd=0.02(n.c),vs=1.5(n.c)。右眼にa trace relative afferent pupillarydefect,右眼硝子体中にcel1を認める以外,外眼部,前眼部,水晶体に特記すべき所見はなかった。右眼視神経乳頭は著しく腫脹し一部下耳側部視神経は蒼白を呈していた。
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