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連載 眼科図譜・299
成人T細胞白血病ウイルスキャリアに発症したLeber's idiopathic stellate neuroretinitisの1例
Leber's idiopathic stellate neuroretinitis developed in a HTLV-Ⅰ carrier
八田 史郎
1
,
舩田 雅之
1
,
山崎 厚志
1
,
岡本 勲夫
1
,
長田 正夫
1
,
玉井 嗣彦
1
,
杉森 宏之
2
1鳥取大学医学部眼科
2松江市立病院眼科
pp.902-903
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410900676
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緒言 Leber1)は1916年に,片眼性に,乳頭浮腫と黄斑部星芒状白斑が出現し視力低下をきたすものの,自然治癒するという特徴をもつ原因不明の星芒状網膜症を報告した。近年,このような疾患は臨床所見と病態が整理され,その病名は次々と変遷し,Leber's idiopathic stellate neuroretinitisと呼称されている2)。本症の発症要因としては,ウイルスや細菌感染の関与が示唆されながらも,それらを証明したという報告は少ない3)。今回,両眼に本症と同様の臨床所見,経過を呈した症例を経験し,病因検索の結果,成人T細胞白血病(ATL)ウイルスが本症の発症に関与した可能性が示唆されたので報告する。
症例 42歳,女性。初診は1989年8月10日。主訴は両眼の霧視と視力低下。
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