特集 眼科基本診療—私はこうしている
診断に必要な基本技術
角膜潰瘍における組織採取法
藤島 浩
1
1東京歯科大学市川総合病院眼科
pp.34-35
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410900866
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角膜潰瘍はさまざまな原因によりボーマン膜を越えて角膜が欠損した状態であり,中央部の潰瘍は一般に感染症としては細菌,真菌,ウイルス,原虫などによって起こるものが多いが,中には栄養障害性潰瘍もある。周辺部潰瘍は非感染性の免疫系の自己障害として起こるものが多い。最初に患者さんに接した場合にそのいずれのものかは典型例を除いては分からない場合が多い。しかし早期に確実な治療を施さないと限局した小さなものでも重篤な潰瘍に移行するので注意を要する。その意味で組織を採取し,その組織に細菌,真菌検査や細胞診断を行い,原因をつきとめることは治療方針決定の意味で重要なプライマリケアーのひとつである。
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