今月の主題 唾液と汗
技術解説
汗の採取法と取り扱い
国友 一史
1
,
川人 幹也
1
,
古味 信彦
1
Kazufumi KUNITOMO
1
,
Mikiya KAWAHITO
1
,
Nobuhiko KOMI
1
1徳島大学医学部第1外科
pp.931-936
発行日 1986年9月15日
Published Date 1986/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913057
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発汗試験による汗の採取,電解質の測定はcystic fibrosisの診断に不可欠である.通常Gibson and Cookeの定量的汗試験(quantitative pilocarpine iontophoresis;QPIT)が行われるが,そのほかにも塩素電極法や伝導法が開発されている.最近ではより簡便な試験紙法も開発され,欧米では臨床的なスクリーニング法として使用されている.健常人における汗C1濃度は20〜40 mEq/l程度であり,60mEq/l以上は異常と判定する.わが国にはcystic fibrosis症例は少なく,汗試験施行の機会も少ないが,今後この方面の知見の進歩とともにcystic fibrosis症例の発見が増えることも考えられ,本試験の重要度も増してくるものと思われる.
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