特集 小外科・外来処置マニュアル
Ⅰ.外来患者の診療・処置
1.病歴の採取法
白日 高歩
1
Takayuki SHIRAKUSA
1
1福岡大学医学部第2外科
pp.10-11
発行日 2004年10月22日
Published Date 2004/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407100777
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病歴採取(医療面接)について
従来から初診の第一歩は病歴採取というかたちでスタートすると見なされてきた.最近では単に詳細な病歴を聞き取ることに終わらず,良好な医師・患者間の信頼関係の構築の始まりという意味合いから,医療面接という言葉が初診全体を表現するものとなっている.まったくの診断未確定(unknown diagnosis)あるいは紹介状なしの初診患者が外科に来る頻度は低く,大部分は紹介医によって何らかの診断が確定または疑われての受診であることが多い.
したがって,内科外来ほどの長時間を問診にかける必要はないし,外来処置をはじめ,より多忙なほかの仕事が待ちかまえているはずである.要は限られた時間を上手に,しかも有効に使って初診面接を終えることである.かつて事実のみの把握(science:科学的側面)であった問診が今日ではさらに技術(art:医術的側面)を加味したものとみなされる所以である1).
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