Japanese
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連載 眼科図譜・292
In-the-bag Phacoemulsification後の高度の嚢収縮によりYAGレーザー前嚢切開を必要とした1例
A case of severe capsular shrinkage successfully treated by YAG laser anterior capsulotomy
鳥羽 幸雄
1
,
田上 勇作
2
,
小林 定男
3
,
関谷 善文
4
Yukio Toba
1
,
Yusaku Tagami
2
,
Sadao Kobayashi
3
,
Yoshifumi Sekiya
4
1鳥羽眼科医院
2社会保険神戸中央病院
3西脇市民病院
4神戸大学医学部眼科
pp.1818-1819
発行日 1990年11月15日
Published Date 1990/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410900440
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- Abstract 文献概要
諸言 眼内レンズ(IOL)がいわゆる嚢内固定されても,capsular bagに亀裂があれば,非対称性の嚢収縮によりIOLの偏位が起こる可能性がある。長期にわたる確実な嚢内固定を得るには前嚢縁に亀裂のない本来の形態(integrity)の保たれたcapsular bagの作製が必要であり,このためにcontinuous circular capsulorhexis (CCC)とin-the-bag Phacoemulsificationが普及しつつある。しかし,こうして得られた亀裂のないcapsular bagに術後に非常に強い嚢収縮が起こると,前嚢切開縁が求心性に収縮し,IOLは逃げ場がないため,その前面が収縮した前嚢で被われるようになってくる。今回,術後に前嚢切開縁の収縮が高度に生じ,IOLの前面が線維性増殖膜で完全に被われ視力障害をきたしたため,YAGレーザー前嚢切開を行い,良好な結果を得た症例を経験した。
症例 74歳女性。
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