今月の表紙
前嚢収縮
寺内 渉
1
,
水流 忠彦
2
1獨協医科大学眼科
2自治医科大学眼科
pp.404
発行日 2002年4月15日
Published Date 2002/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907650
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患者は72歳,女性。近医から白内障手術の目的で紹介され受診した。既往歴として50年前に原田病の入院治療がある。初診時所見は矯正視力が右0.04×-12.0D,左0.04×-11.0Dと強度近視で,眼圧は右12mmHg,左13mmHg,両眼底に網脈絡膜萎縮を認めた。2001年3月26に右眼,3月29日に左眼の水晶体乳化吸引術を施行し,術後の矯正視力は右0.05,左0.04と不変であった。術後3か月して右眼の前嚢収縮が強くなり,右視力は指数弁と低下したため前嚢切除術を施行した。術後6か月の現在,右矯正視力は0.06と経過良好である。
表紙の写真は前嚢収縮を徹照法にて撮影したスリット写真である。徹照法は眼底の反帰光を利用する撮影法である。反射の弱い黄斑部を避け,反射の強い視神経乳頭の位置に固視点を誘導し,縦横必要なスリット長および幅にカットして撮影する。撮影条件はスリット長5mm,スリット幅8mmである。フォトスリットはコーワ社製SC1200,露出5(最大),フィルムはコダックエクタクローム400である。
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