今月の表紙
眼皮膚白皮症(無散瞳下・徹照法)
八木 治身
1
,
堀 裕一
2
1昭和大学病院附属東病院眼科
2東邦大学
pp.1340
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410214520
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- 文献概要
患者は68歳,女性。主訴は両眼の視力低下と羞明。精査および加療目的にて近医を受診し,両眼の白内障(エメリー・リトル分類グレード3)を指摘された。白内障手術の適応,可否の判断を含めた加療目的にて当科を紹介され受診となった。幼少期から眼皮膚白皮症を指摘されており,水平性眼振,黄斑低形成があった。初診時視力は左0.01(0.03×−16.0D()cyl−6.0D 180°)であった。白内障手術適応と判断し,超音波水晶体乳化吸引術,眼内レンズ挿入術を施行した。術後視力は0.06(0.08×−3.75D()cyl−5.5D 170°)に改善した。白内障手術の1か月後に前眼部写真を撮影したところ,ディフューザー照明下では灰白色の虹彩が認められたが,徹照法にて撮影するとスリット光が虹彩を透過し,眼底からの反帰光によって眼内レンズが描出された。虹彩のメラニン色素が欠損しているため,透過しないはずのスリット光が無散瞳下でも眼底まで届いている。
Righton社製デジタル細隙灯RS-1000を使用し,スリット長5mm,幅1mm,画角10°に設定し徹照法にて撮影した。水平眼振があるため振幅のパターンを予測しつつ,フレームアウトしないようセンタリングやフォーカスに注意しながら撮影を行った。
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