今月の表紙
眼皮膚白皮症
佐藤 勇輝
1
,
稲谷 大
2
1東海大学医学部付属病院
2福井大学
pp.412
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410214340
- 販売していません
- 文献概要
患者は27歳,女性。皮膚,頭髪,眼底・虹彩の低色素(灰色調),黄斑低形成,振子様眼振,内斜視があり,先天性眼皮膚白皮症として当院でフォローしていた。しばらく眼科は受診していなかったが,突発性難聴を自覚し当院耳鼻咽喉科を受診した。ステロイドパルス療法となり,コントロール不良の糖尿病(HbA1c 8.6%)も発覚した。網膜症の精査も含め当科へ依頼され,受診することとなった。
受診時の視力は,右0.06(0.1×−5.50D()cyl−4.00D 180°),左0.1(0.15p×−1.50D()cyl−5.00D 180°)と,両眼ともに近視性直乱視があった。両眼とも前眼部には虹彩の低色素,眼底には黄斑低形成,眼底低色素による脈絡膜血管の透見が認められた。糖尿病網膜症の所見はなくnon-diabetic retinopathy(NDR)と診断された。眼皮膚白皮症は根本的な治療がないため,眼鏡での定期フォローとなった。
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.