海外留学 不安とFUN・第80回
コロナ禍でのロンドンライフ・2 仕事編
盛 崇太朗
1,2
1ロンドン大学眼科学研究所
2神戸大学医学部眼科学教室
pp.1206-1207
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410214494
- 有料閲覧
- 文献概要
仕事における不安
COVID-19の感染拡大以降のイギリスではテレワークが一般化しており,研究室に常にいるのはtechnicianだけで,あとは各自の必要に応じて週1〜3回実験のときだけに出勤するという状況です。Bossは基本在宅勤務で連絡はweb meetingで行っており,私が初めて彼女に対面したのは渡英後2か月経ってから,という状況でした。
研究生活における最初の関門が研究テーマの決定でした。週1回のmeetingで私が行いたい研究をpresentationするのですが,最初はbossが全く関心をもってくれず,また私のお粗末な英語力も手伝い,当初は何度も“Sotaro, can I just cut you off?”と最後まで喋らせてもらえず話を中断させられることがよくありました。そのときに実感したのが,英語力はビジネスにおいてマナーのようなもので最低条件であり,稚拙な英語でも話を聞いてもらえるのは地位がある人のみで,一介の研究者が拙い発音と文法で熱弁しても相手にされることはない,という現実でした。働き始めて自分の能力不足を痛感し,ロンドンでの仕事に不安がやってきた次第です。
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.