今月の表紙
サルコイドーシス
平田 泰介
1
,
山本 素士
1
,
西口 康二
2
1小倉記念病院
2名古屋大学
pp.1191
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410214491
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- 文献概要
症例は50歳,男性。両眼の飛蚊症を自覚し,近医にて両眼のぶどう膜炎,高眼圧を指摘され,当院へ紹介となった。初診時の視力は左右ともに(1.5)であった。前医初診時の眼圧は右53mmHg,左32mmHgであったが,処方されていたベタメタゾンリン酸エステルナトリウム・フラジオマイシン硫酸塩点眼液(RDA),アセタゾラミド内服により右19mmHg,左18mmHgまで低下していた。両眼とも前眼部に豚脂様角膜後面沈着物,前房内炎症細胞,眼底に雪玉状硝子体混濁,網膜血管炎を認めた。フルオレセイン蛍光眼底造影(FA)で両眼とも後極から周辺にかけて,血管壁染と血管透過性亢進による蛍光漏出があり,網膜静脈周囲炎がみられ,眼サルコイドーシスと診断した。後日,呼吸器内科を受診し,血液検査でACE高値,胸部CTで両側肺門リンパ節腫脹,結節影などから肺サルコイドーシスと診断された。治療は,RDA点眼投与で眼内の炎症所見は鎮静化し,正常眼圧を維持した。
撮影はHeidelberg Engineering社製のHRA2にUltra-Widefield moduleを取り付けてFAを行った。周辺部の網膜静脈周囲の過蛍光のコントラストに注意しつつ輝度を手動で調整し,ART(10 images averaged),Normalized,High resolutionで低ノイズかつ高精細に記録した。
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