特集 眼科診療:5年前の常識は,現在の非常識!
3 緑内障
■治療
血管新生緑内障と抗VEGF治療
齋藤 代志明
1
1金沢大学大学院医学系研究科視覚科学(眼科)
pp.233-237
発行日 2011年10月30日
Published Date 2011/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103943
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ここが変わった!
以前の常識
●血管新生緑内障は緑内障の中でも非常に予後不良で,失明の危険性が高い疾患である。
●虹彩および隅角新生血管の退縮には汎網膜光凝固術を行うが,即効性がなく新生血管の退縮に時間がかかるため隅角閉塞が拡大してしまう。
●薬物による眼圧下降療法では効果不十分なことが多く,トラベクレクトミーを行っても眼圧コントロールが不良な症例が多い。
現在の常識
●抗VEGF治療により,ほとんどの症例で前眼部新生血管の速やかな退縮を認め,なかには一時的に眼圧が下降する症例さえあり,汎網膜光凝固術を行う時間的余裕ができた。
●抗VEGF治療を併用することにより,トラベクレクトミーでの術中・術後の出血性合併症が抑制され,術後の眼圧コントロールが良好になった。
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