今月の表紙
真性小眼球
後藤 肇
1
,
森 隆三郎
1
,
川村 昭之
1
,
鈴木 康之
2
1日本大学病院
2東海大学
pp.1286
発行日 2021年10月15日
Published Date 2021/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410214113
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- 文献概要
患者は51歳,女性。視力低下の自覚があり近医を受診した。視力は右0.03(0.5×+16.50D()cyl−0.50D 95°),左0.02(0.2×+18.00D()cyl−1.00D 130°),眼圧は右10mmHg,左15mmHgであった。前眼部・中間透光体に異常はなかった。眼底は両眼とも偽乳頭浮腫,網膜襞,周辺部網膜血管の走行異常を認めた。眼軸長は右15.58mm,左15.61mmであり強度遠視であったため真性小眼球と診断した。
光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)では中心窩陥凹は消失し,内層遺残,網膜襞を認めた。また網膜厚・脈絡膜厚は肥厚がみられ中心窩脈絡膜厚は420μmであった。OCT血管撮影(OCT angiography:OCTA)では,網膜浅層(superficial)および深層(deep)において中心窩無血管域(foveal avascular zone area:FAZ)の消失がみられた。家族歴として54歳の兄も強度遠視を伴う真性小眼球である。
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