増刊号 すべて見せます! 患者説明・同意書マニュアル—[特別Web付録]説明書・同意書の実例99点
12 網膜硝子体
トリアムシノロンアセトニド(マキュエイド®)硝子体内注射
一尾 享史
1
1三重大学大学院医学系研究科臨床医学系講座眼科学
pp.258-259
発行日 2020年10月30日
Published Date 2020/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213808
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治療法の概要
トリアムシノロンアセトニド(マキュエイド®)は,糖尿病黄斑症(diabetic macular edema:DME)の治療薬として硝子体内投与で2010年より保険適用となっている。DMEの原因においては種々の要因があるとされているが,いまだ特定には至っていない。
DMEの治療法としては,一般的には抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)薬の硝子体内投与が多く行われている1)。しかし,その一方で抗VEGF薬に対して抵抗を示す症例も見受けられる。以前より抗VEGF薬の硝子体内投与で改善がなく,テノン囊下にステロイドを注射することでDMEの鎮静化がみられる症例があったが,そのような抵抗症例に対してマキュエイド®の硝子体内注射はテノン囊下注射より効果があると考えられる。ただ,ステロイドを硝子体内注射することで有水晶体眼は高率に白内障を引き起こすために,適応には注意を払う必要がある。また,40mgの投与のためには0.1mLの投与かつ,懸濁液が注射針内で詰まらないよう27G針での投与が必要である。そして0.1mL投与するため,眼圧上昇を解消するために注射前後いずれかで前房穿刺を行う。
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