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臨床ノート
粘弾性物質を用いた結膜囊胞摘出術
Removal of conjunctival cyst using viscoelastic material
高橋 京一
1
Kyoichi Takahashi
1
1たかはし眼科クリニック
1Takahashi Eye Clinic
pp.682-684
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213580
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緒言
結膜囊胞は外来診療でしばしば遭遇する疾患であるが,小型で症状のないものは経過観察,症状があり治療を希望する場合は外科的治療が選択される。最も単純な治療は囊胞穿刺であるが,再発の確率が高いことが欠点として挙げられる。囊胞の全摘出は,再発のない治療として理想的であるが,結膜を切開して囊胞を摘出する際に,手術操作により脆弱な囊胞壁が破れ,摘出に失敗する場合や,囊胞が周囲組織と癒着し,その剝離の際に囊胞が破れ,囊胞の全体像が不明となり,囊胞壁が残存してしまう場合などがある。今回,粘弾性物質(ヒーロンV®)を囊胞に注入することで,容易に結膜囊胞の完全摘出を行うことができた8例を経験した。本方法は,結膜囊胞の根治的治療法の1つの選択肢になりうるものと考える。
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