特集 どうする!?外来処置と手術
【口腔・咽頭領域における外科処置と手術】
口唇囊胞摘出術
萩原 柚香
1
,
池田 このみ
1
Yuzuka Hagiwara
1
,
Konomi Ikeda
1
1厚木市立病院耳鼻咽喉科
キーワード:
外来手術
,
口唇粘液囊胞
,
下口唇囊胞摘出術
Keyword:
外来手術
,
口唇粘液囊胞
,
下口唇囊胞摘出術
pp.909-911
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001711
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はじめに
口唇粘液囊胞(labial mucocele)は,導管の損傷などにより口唇粘膜下に形成される小唾液腺の貯留囊胞(図1)である。病理学的に真性囊胞である貯留型囊胞は稀で,ほとんどが仮性囊胞である漏出型囊胞である1,2)。粘液囊胞の好発年齢は小児から10~20歳台の若年層に多いが性差は特にない2)。機械的な刺激を避けることで自然消退することもあるが,保存的に経過を見ても縮小せず,自壊と再発を繰り返す場合には外科的な摘出術が選択される。好発部位は下口唇であり,穿刺のみでは再発する場合が多いため外来局所麻酔下に摘出術を行うのが一般的な治療法である。しかし外科的に切除しても再発する傾向があるため,手術の前に十分な説明をしておく必要がある2,3)。

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