今月の表紙
網膜血管腫
梅田 ゆい子
1
,
坂本 泰二
2
1東京医科大学病院
2鹿児島大学
pp.534
発行日 2020年5月15日
Published Date 2020/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213545
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- 文献概要
症例は15歳,男性。左眼の視力低下と飛蚊症を自覚し,近医を受診した。精査加療目的のため,当院へ紹介され受診した。
初診時の左眼の視力は(1.2)で,前眼部に特記すべきことはなかった。眼底所見は,網膜耳側に橙色の隆起病変とその周辺に出血および網膜の滲出斑,そして前部硝子体に多数のcellを認めた。上記より左眼の若年性網膜血管腫を疑い,後日フルオレセイン蛍光眼底造影検査(FA)を行った。FAでは,網膜血管腫からの旺盛な造影剤の漏出とその耳側周辺部に広範囲な無灌流領域を認めた。治療は,網膜血管腫に対して経強膜網膜冷凍凝固術を行い,無灌流領域に対しては網膜光凝固を行った。呈示写真は治療後6か月に撮影した眼底写真である。
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