今月の表紙
網膜つた状血管腫
若林 星太
1
,
田畑 奈緒美
1
,
河賀 友紀
1
,
山田 裕子
1
,
中村 誠
1
,
稲谷 大
2
1神戸大学医学部附属病院眼科
2福井大学
pp.1522
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211968
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症例は初診時8歳の男児。学校健診で視力低下を指摘された。健診前に縄跳びの縄が眼に当たったこともあり近医を受診した。右眼底に網膜血管の蛇行と拡張がみられ,精査および加療目的で当院を紹介された。初診時の視力は右(0.4),左(1.5)。前眼部,中間透光体に異常はなく,右眼底に網膜つた状血管腫を認めた。右眼内斜視と偏心固視を伴うため,弱視治療を行ったが奏効しなかった。経過観察中に右視力が徐々に低下したため,MRIを施行したところ,右眼窩および鞍上部に血管奇形の合併を認め,Wyburn-Mason症候群であることが明らかになった。現在の視力は(0.04)である。
写真は,17歳時の右眼底。撮影には,眼底カメラ(Topcon社,TRC 50DX)を使用した。画角は50°。視力不良のため固視が定まらなかったため,外部固視標を用い,健眼で視線を誘導した。網膜血管腫の微細な変化を見逃さないために,血管部にうまくピントが合うよう注意し撮影に臨んだ。
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