今月の表紙
乳頭血管腫
間瀬 智子
1
,
石子 智士
1
,
坂本 泰二
2
1旭川医科大学眼科学講座
2鹿児島大学
pp.1186
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211898
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症例は22歳,男性。母親がvon Hippel-Lindau病と診断され,本人も遺伝子検査により保因者であることが確定したため,11歳の時に眼科的精査目的に当科へ紹介された。初診時,視力は左右ともに(1.2),眼圧は右18mmHg,左19mmHgであった。両眼の眼底所見上には網膜血管腫など明らかな異常はなかった。これまでのところ視力と視野には異常はないが,14歳頃から左眼視神経乳頭上に血管腫が認められるようになり,徐々に拡大してきた(a:17歳時,b:22歳時)。
撮影にはTOPCON社の眼底カメラTRC50-DXを用い,画角は35°を使用した。本症例の血管腫の直径は視神経乳頭径のおよそ半分を占め,硝子体側に隆起している。そのため,血管腫表層の血管に焦点を合わせることが必要であるが,血管腫側に焦点を合わせすぎると乳頭と網膜の血管がぼやけてしまい,乳頭を含む全体像がわかりにくくなるので,ある程度網膜側にも焦点を合わせて撮影することを意識した。撮影光もハレーションが起きないよう注意した。
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