今月の表紙
出産後に増悪した網膜血管腫
中川 喜博
1
,
佐柄 知世
1
,
坂本 泰二
2
1東海大学
2鹿児島大学
pp.1281
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104852
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31歳,女性。右眼の小字症を主訴に紹介初診。右眼矯正視力0.8で,妊娠29週であった。右眼底の上耳側に3乳頭径大の血管腫があり,黄斑部に硬性白斑を認めた。家族歴はなく,他に中枢神経系・内臓病変も認めず,後天性網膜血管腫と診断。当初経過観察としていたが,出産後半年ぐらいより徐々に視力が低下し,黄斑部の白斑の集積も強くなった(妊娠,分娩経過特に異常なし)。授乳期を終え眼底造影検査施行。写真の時点で右眼矯正0.4。血管腫を取りまく3本の拡張した血管のうち,一番下方が流入血管であることを同定した。現在はその流入血管に対して適時光凝固を行い,血管腫の縮小を図っている。
撮影はトプコンTRC-50LXを用いた。周辺部眼底写真の合成は,血管の走行を合わせることが難しいため,周辺部もカメラを煽り画角50°で撮影することで合成枚数を抑えた。写真の合成には,トプコンIMAGEnet2000パノラマ機能を使用し,3枚の眼底写真を合成した。
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