増刊号 実戦 メディカル眼科治療アップデート
メディカル眼科治療 各論
Ⅵ 網膜硝子体疾患
トピックス
OCTアンギオグラフィでどこまでわかるか
吉田 宗徳
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科視覚科学
pp.382-383
発行日 2019年10月30日
Published Date 2019/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213377
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
OCTアンギオグラフィとは
OCTアンギオグラフィ(optical coherence tomography angiography:OCTA)は、OCTを用いて造影剤を使用せずに網脈絡膜の血流を調べる検査法である。長所として造影剤が不要で安全であること、簡便で繰り返し検査ができること、非常に精細な画像が得られること、網膜血管を層別に検査できること(網膜血管は表層、中間層、深層に分かれているが、通常の造影検査では区別することができない)、造影剤のリークなどに邪魔されず血管構造を描出できること、などがある。
一方短所は、撮影できる範囲が狭いこと、造影と異なり蛍光漏出やプーリングなどの所見や時間経過に伴う変化が捉えられないことなどがある。また、OCTAにはsegmentation errorやprojection artifact、motion artifactなどOCTA特有の問題があり、読影には注意を要する1)。しかしながら、これらの短所は日々改善されており、今後眼科臨床の現場でOCTAは急速に普及すると思われる。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.